ラフィドフォラ
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ヒメモンステラには別タイプがある?シルバー細葉と『ラフィドフォラsp.ナロー』を追う

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「ヒメモンステラ」の名前で流通している植物を何株も見ていると、ときどき明らかに雰囲気の違う個体に出会います。

今回紹介するのは、以前から普通のヒメモンステラより葉が細く、少しシルバー味を感じる個体として気になっていた株です。

当時から「これは同じヒメモンステラなのか?」と違和感がありましたが、最近になって園芸店で非常によく似た株が「ラフィドフォラ sp. ナロー」の名前で販売されているのを確認しました。

ただし、「sp.ナロー」という名前が付いたから正体が確定したわけではありません。

今回は、通常のヒメモンステラとの実物比較と、現在流通し始めている「ラフィドフォラ sp. ナロー」について整理します。

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普通のヒメモンステラ

一般的なヒメモンステラとして流通するラフィドフォラ・テトラスペルマ

一般に「ヒメモンステラ」の名前で流通している植物は、Rhaphidophora tetrasperma として扱われています。

名前に「モンステラ」と入っていますが、モンステラ属ではなくラフィドフォラ属です。

Rhaphidophora tetrasperma は現在もKew Plants of the World Onlineで受容種として扱われており、タイ半島からマレー半島を原産とするつる性のサトイモ科植物です。([Plants of the World Online](https://powo.science.kew.org/taxon/urn%3Alsid%3Aipni.org%3Anames%3A88594-1?utm_source=chatgpt.com))

成熟した葉には深い切れ込みが入り、株がコンパクトなことから、日本では「ヒメモンステラ」の名前が定着しています。

明らかに雰囲気の違う細葉個体

シルバー味のある細葉のラフィドフォラsp.ナローに似た個体

一方、こちらが以前から気になっていた個体です。

普通のヒメモンステラと比べると、葉が明らかに細く、色にも少しシルバーがかった印象があります。

単純に葉幅が狭いだけではなく、株全体の雰囲気が一般的なヒメモンステラとは少し違います。

当時は同じ「ヒメモンステラ」のような扱いで見かけることがありましたが、実物を並べて見ると別タイプに見えていました。

最近「ラフィドフォラ sp. ナロー」として流通していた

そして最近、園芸店でよく似た植物を見かけました。

付いていた名前は「ラフィドフォラ sp. ナロー」。

細長い葉と、ややシルバー味を感じる葉色は、以前から別物ではないかと思っていた個体とかなり近い印象でした。

長年「普通のヒメモンステラとは何か違う」と感じていた株に、ようやく流通上の呼び名らしきものを見つけた形です。

ただし「sp.ナロー」は正式な種名ではない

ここはかなり重要です。

植物名に付く「sp.」は、一般に属までは分かっていても種まで特定されていない、あるいは種名を明示していない場合に使われる表記です。

つまり「Rhaphidophora sp. Narrow」は、「ラフィドフォラ属の何らかの植物で、ナロータイプとして流通している」という程度の意味であり、Rhaphidophora narrow という正式な学名が存在するという意味ではありません。

実際、Kewではラフィドフォラ属自体は受容された属で、現在100種以上の受容種が掲載されています。([Plants of the World Online](https://powo.science.kew.org/taxon/urn%3Alsid%3Aipni.org%3Anames%3A2892-1?utm_source=chatgpt.com))

昔の個体=現在のsp.ナローとは断定しない

今回の細葉個体と、最近「ラフィドフォラ sp. ナロー」として販売されていた株は非常によく似ています。

ただし、入手元や採集地、増殖元などの系統情報が確認できているわけではありません。

そのため、この記事では「昔育てていた細葉個体はsp.ナローだった」とは断定しません。

現時点で言えるのは、「普通のヒメモンステラとは明らかに違って見えた細葉・シルバー系の個体と、現在sp.ナローとして流通している株が非常によく似ている」というところまでです。

普通のヒメモンステラとの違い

私が実株を見て感じる違いは、主に次の点です。

  • 通常のヒメモンステラより葉幅が狭い
  • 葉がより細長く見える
  • 葉色に少しシルバー味を感じる
  • 全体的に通常株とは違う質感・雰囲気がある

特に葉色は写真だけだと分かりにくいことがありますが、実物を並べると違いを感じやすい部分です。

ヒメモンステラ自体も成熟すると姿が変わる

一方で、ヒメモンステラこと Rhaphidophora tetrasperma も、成長段階によって葉形が変わります。

Kewに掲載されている形態記載では、成熟した葉は深く切れ込み、場合によっては主脈付近に大きな穴を生じることも記載されています。([Plants of the World Online](https://powo.science.kew.org/taxon/urn%3Alsid%3Aipni.org%3Anames%3A88594-1/general-information?utm_source=chatgpt.com))

そのため、葉幅や切れ込み方だけで別種と判断することもできません。

「細いから別種」「シルバーだから別種」と単純に決めるのではなく、長期栽培した成葉や茎、葉柄なども含めて比較する必要があります。

「ヒメモンステラが2種類ある」というより、別のラフィドフォラが混じっていた可能性

以前は「ヒメモンステラには2タイプあるのでは?」と考えていました。

しかし現在「ラフィドフォラ sp. ナロー」という名前が流通し始めたことを考えると、少し見方が変わります。

もしかすると「ヒメモンステラの細葉タイプ」なのではなく、もともと別のラフィドフォラ属植物が、ヒメモンステラに近い姿のまま流通していた可能性も考えられます。

ただし、これも現時点では仮説です。

「sp.」の正体が明らかにならない限り、種レベルでの答えは出せません。

流通名が付いても「正体判明」とは限らない

園芸植物では、正式な学名が分からない株でも、販売しやすいように特徴を表す名前が付けられることがあります。

「ナロー」はまさに細葉という特徴を表現した分かりやすい名前です。

こうした流通名は株を区別するうえでは非常に便利ですが、分類学的な答えとは別物です。

今回も「sp.ナロー」という名前が見つかったことで、昔から感じていた違和感に一つの手掛かりはできました。

それでも、本当の種が何なのかはまだ分かりません。

まとめ|シルバー細葉の「sp.ナロー」は今後も追いたい

以前から、ヒメモンステラとして見かける株の中に、普通の Rhaphidophora tetrasperma とは明らかに雰囲気の違う細葉個体があることが気になっていました。

その個体は葉が細く、少しシルバー味のある独特の姿をしています。

そして最近になって、非常によく似た植物が「ラフィドフォラ sp. ナロー」の名前で園芸流通しているのを確認しました。

ただし「sp.」である以上、種まで正式に確定した名称ではありません。

昔の個体と現在のsp.ナローが同一系統かどうかも、現段階では断定できません。

それでも、何年も前に感じていた「このヒメモンステラ、普通の株とは違う」という違和感に、少しずつ答えが近づいてきたのは面白いところです。

今後さらに由来や正体につながる情報が出てきたら、この記事にも追記していきます。

※本記事は筆者が実際に観察した株と、現在園芸流通している「ラフィドフォラ sp. ナロー」との外観上の比較です。同一種・同一系統であることを断定するものではありません。

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フィカス・アロイドを育てて記録する人
珍しい観葉植物を実際に育てながら、フィカス・モンステラ・フィロデンドロンなどのアロイドを中心に、成長記録・比較・増やし方をまとめています。 流通名だけでは分かりにくい植物も、実株の写真と栽培経験をもとに紹介しています。
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