
モンステラ・ゾンビとは?複数の成長点を持つ株を1年以上育てた結果

モンステラの中には、通常とは少し違った成長を見せる個体があります。
今回紹介するのは、一つの株に複数の成長点を持ち、同時にいくつもの芽が動くモンステラです。
園芸流通では、このような特徴を持つモンステラが「ゾンビ(Zombie)」の名前で扱われることがあります。
実際にこの株を1年以上育ててみると、最初に想像していた「複数の芽がそれぞれ同じように成長していく姿」とは少し違った結果になりました。
複数あった成長点はどうなったのか。長期栽培して分かったことを、実物の成長記録とともに紹介します。
モンステラ・ゾンビとは?
「モンステラ・ゾンビ(Zombie)」という名前は、少なくとも植物分類上の正式な種名や変種名として使われているものではありません。
モンステラ・デリシオーサの学名は Monstera deliciosa Liebm.。
一方、園芸市場では複数の成長点を持つなど、通常のモンステラとは異なる成長を見せる株に「Zombie」の名称が使われている例があります。
そのため本記事でも、「ゾンビ」を正式な分類名ではなく、園芸・流通上見られる呼称として扱います。
複数の成長点を持つモンステラ

この株の最大の特徴は、やはり成長点が一つではないことです。
一般的なモンステラを育てていると、通常は主となる成長点から次の葉が展開していきます。
ところがこの個体では、複数の場所から芽が動き始めました。

一見すると複数の株が密集しているようにも見えますが、成長を追っていくと、普通のモンステラとは明らかに違う複雑な株姿になっていきました。

この段階では、それぞれの成長点が独立するように伸びていくのか、それとも最終的にどれか一つが優勢になるのか分かりませんでした。
新芽の展開がかなり遅い時期もあった
この個体を育てていて気になったのが、新芽の動きです。
新芽、いわゆる「ドリル」がしわくちゃになり、なかなか葉が開かない時期がありました。
成長点が複数あることと直接関係しているのかは分かりません。
根の状態や栽培環境による一時的な影響も考えられるため、ゾンビタイプに共通する特徴とは断定できませんが、この個体で実際に見られた特徴の一つです。
一度に新芽が3つ動いた

その後、さらに特徴的な成長を見せます。
次の新芽が一気に3つ動き始めました。
普通のモンステラのように、一つの成長点から一枚ずつ葉を更新していく姿とはかなり違います。

この頃は、それぞれの芽がこのまま成長して、一本の株から何本もの太い軸が伸びるような姿になるのではないかとも考えていました。
ところが、長期間育てると少し違った結果になります。
1年以上育てた結果

1年以上育ててみると、複数の成長点がすべて同じ勢いで成長するわけではありませんでした。
最も上に位置する成長点が次第に強くなり、メインの軸として成長。
一方で、下側にある成長点は徐々に勢いが弱くなっていきました。

見た目にも、上側の軸が太くなり、株全体の成長がそこへ集中しているように感じます。
ゾンビでも「全部の芽が同じように育つ」とは限らない
ここが長期間育ててみて特に面白かった部分です。
複数の成長点があるなら、それぞれが独立した茎として伸び続けるようにも思えます。
しかし今回の個体では、最終的に成長の強弱がかなりはっきりしました。
植物には一般に、上部にある芽が優先して成長し、下側の芽の成長が抑えられる頂芽優勢という性質があります。
今回の株でも、結果としてそれに似た成長バランスになっています。
ただし、この株について植物体内部の構造やホルモン量などを調べたわけではありません。そのため、複数の成長点が生じた原因や、その後の成長差がすべて頂芽優勢によるものだと断定することはできません。
気根の出方にも変わった特徴

成長後の株を観察すると、気根にも面白い特徴が見られました。
同じ高さから2本ずつ気根が出ている部分があります。
また、メインとなった軸も単純に一直線に伸びるというより、少し複雑な形をしています。
これが複数の成長点を持つことと関係しているのか、それともこの個体特有の成長なのかは現時点では分かりません。
ただ、複数の芽が出た初期だけでなく、大きく育ったあとにも普通の株とは少し違った姿が残っているのは興味深いところです。
切り戻したら再び複数の芽が動く?
今後試してみたいのが切り戻しです。
現在は一番上の成長点が優勢になっていますが、この主軸を切り戻した場合、勢いを失っている下側の成長点が再び動き始める可能性があります。
もし複数の成長点が再び同時に動けば、このタイプのモンステラの性質をさらに観察できます。
反対に、そのまま大株にして、成長点や気根の特徴がどこまで残るのかを見るのも面白そうです。
まとめ|モンステラ・ゾンビを長期栽培して分かったこと
今回の個体を1年以上育てて確認できた特徴をまとめると、以下のようになります。
- 一つの株に複数の成長点が見られた
- 複数の新芽が同時に動いた
- 一度に3つの新芽が伸びることもあった
- 新芽の展開が極端に遅い時期があった
- 長期栽培すると成長点ごとに勢いの差が出た
- 最終的には上側の成長点が強く成長した
- 同じ高さから複数の気根が出る部分も見られた
「モンステラ・ゾンビ」という名前は非常にインパクトがありますが、名前だけで特定の遺伝的変異や正式な品種を意味すると考えるのは避けた方がよいでしょう。
一方で、複数の成長点を持つモンステラを実際に長期間育ててみると、一般的なデリシオーサとは違う成長過程を観察できました。
今後さらに育てたり、切り戻したりした際に変化があれば、この記事にも追記していきます。
※本記事の成長経過や特徴は、筆者が実際に栽培している個体を観察したものです。「ゾンビ(Zombie)」は園芸流通上見られる呼称として使用しており、正式な植物分類上の品種名であることを示すものではありません。









