
絶滅危惧種サツマシダをオキボタで購入|30年前の株から増やされた希少な日本のシダ

2026年秋のオキボタで、以前から気になっていたサツマシダを購入しました。
私はこれまでアロイドを中心に育ててきたので、シダ植物を本格的に育てるのは今回が初めてです。販売者さんにサツマシダの由来から育て方までかなり詳しく聞くことができたので、購入時の株の姿と一緒に記録しておきます。

サツマシダとは?絶滅危惧種の日本のシダ
サツマシダの学名は Ctenitis sinii。環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)として扱われてきた希少なシダ植物です。
購入時に販売者さんからは「天然記念物で、現在は採取できない」と説明を受けました。ここは少し補足が必要で、サツマシダという種そのものが日本全国で一律に天然記念物に指定されている、という意味ではありません。
たとえば熊本県あさぎり町では鷺巣地区一帯のサツマシダが町の登録文化財として記録されており、鹿児島県には林野庁の「冷水サツマシダ等希少個体群保護林」もあります。つまり、自生地や個体群が文化財・保護対象となっている非常に希少な植物です。
自生株を見つけても持ち帰るのではなく、その場所の保護制度や土地のルールを確認する必要があります。

約30年前の株を増やしながら販売しているそう
今回とても興味深かったのが、このサツマシダが販売されるまでの話です。
販売者さんによると、現在どこかの自生地から採取してきたものではなく、約30年前から維持している株を増やし、現在も販売しているとのことでした。
野生では希少な植物でも、人の手で長期間維持・増殖された栽培株であれば、こうして園芸植物として育てる機会があります。
30年前から受け継がれている株の一部だと思うと、普通の園芸店で植物を買うのとは少し違った面白さがあります。
このサイズから1〜2年ほどで成株になるそう
購入した株はまだ若く、完成したサツマシダの姿とはかなり違います。

販売者さんに成長速度を聞いたところ、環境が合えばこのくらいの株から1〜2年ほどで成株らしい姿になってくるとのことでした。
アロイドでは幼葉と成葉で姿が大きく変わる種類をよく育てていますが、シダを小さな状態から成株まで育てた経験はありません。今後どのように葉の大きさや形が変化していくのか、定期的に記録してみたいと思います。
サツマシダの育て方を販売者さんに聞いてみた
初めて育てるシダなので、購入時に管理方法も聞いてきました。
今回教えてもらったポイントは、屋外で育てられること、水を切らさないこと、腰水管理がしやすいことでした。
販売者さんの説明では、日本の屋外に自生するシダなので冬も耐えられるとのこと。ただし、栽培環境によって最低気温や鉢の凍結条件は大きく変わるため、購入したばかりの小株については様子を見ながら管理するつもりです。
水管理については腰水がおすすめとのことでした。鉢皿などに水を張り、鉢底から水を吸わせる方法です。特に小さな株のうちは乾燥させないことを意識して育ててみます。
これは「すべてのシダは常に腰水にするべき」という意味ではなく、今回購入したサツマシダについて販売者さんから教えてもらった栽培方法として記録しています。
胞子嚢ができれば勝手に増えることもある?
さらに楽しみなのが繁殖です。
販売者さんによると、株が育って葉に胞子嚢がつくようになると、環境が合えば周囲に胞子が飛び、いつの間にか新しい株が出てくることもあるそうです。

シダ植物は花や種子ではなく胞子によって繁殖します。成熟した葉の裏側に胞子嚢群が形成され、そこから放出された胞子が発芽し、前葉体などの段階を経て新しいシダへ育っていきます。
もちろん胞子が飛べば必ず増えるわけではありません。湿度や用土、光など発芽に適した環境が必要ですが、鉢の周辺から自然にサツマシダが出てきたらかなり面白いので、その状態まで育てるのが一つの目標です。
まずは1〜2年、成株になるまで育ててみる
今回は完成株ではなく、まだ小さなサツマシダからスタートしました。
販売者さんの話どおりなら、1〜2年後には今とはかなり違う姿になっているはずです。冬の屋外管理はどうだったか、成長速度はどのくらいだったか、腰水との相性、そして胞子嚢がいつ現れるのか。このあたりは実際に育てながら追記していきます。
希少植物について調べると自生地の情報ばかりになりがちですが、aroidermanでは今回購入した栽培株が実際にどう育つのかを記録していきます。
珍しい植物を探すなら
イベントだけでなくメルカリにもシダや珍しい観葉植物の栽培株が出品されることがあります。希少植物は由来や増殖株かどうかも確認し、自生地から採取された疑いのある株は避けて選ぶのがおすすめです。





