
アミドリウムsp.とは?オキボタで見た穴あき葉と「Pahauman」の札

オキボタの会場で見た大きな葉には、外側から入る切れ込みと、葉の内側に開いた穴がありました。手元の札には「Amydrium sp. Pahauman Kab. Landak」。見た目は気になりますが、この表記から種まで確定できるわけではありません。撮影した葉と札を記録しながら、アミドリウム属について確認できたことを整理します。
アミドリウムsp.の基本データ
| 会場の表記 | Amydrium sp. / Pahauman Kab. Landak |
|---|---|
| 科・属 | サトイモ科・アミドリウム属 |
| 種名 | 未確定。「sp.」は属まで分かり、種は特定していない表記 |
| 札の地名 | インドネシア・西カリマンタン州ランダック県の Pahauman と読み取れる。株の採集履歴を証明するものではない |
| 属の分布・環境 | インドシナからニューギニア。湿潤な熱帯林で樹幹を登る種類などがある |
| 今回の葉 | 大きな緑葉に切れ込みと穴を確認。株全体や花序は未確認 |
「Pahauman Kab. Landak」は品種名ではない
札の後半は種小名や園芸品種名ではなく、インドネシアの地名を示す表記と考えられます。Kab. は県を表す Kabupaten の略記で、ランダック県の公的資料にも Pahauman という地名が登場します。ただし、この札だけで採集地点や由来の経路が裏付けられたとは言えません。ここでは会場で確認したローカリティ表記としてそのまま残します。
キュー王立植物園のPOWOのアミドリウム属の記載では、葉はハート形から三裂、深く切れ込む形まであり、葉身に穴が開くものもあります。この幅の広さがあるため、穴のある葉だけを見て特定の種名へ置き換えるのは避けたいところです。たとえばAmydrium medium の記載にも成熟葉の穴と切れ込みが登場しますが、今回の株が同種という根拠にはなりません。
オキボタで見た葉と、写真に残った範囲
1枚目の写真では、幅広い緑の葉が大きく裂け、その下側には葉の中に開いた穴も見えます。葉形は一枚の中でも左右対称ではなく、輪郭に動きがあります。写真の中で確認できるのはここまでで、同じ株の幼葉から順に変化した過程や、葉の正確なサイズは分かりません。
もう1枚は手書き札の記録です。札の背景には細く分かれた別の葉も重なっていますが、その葉と札が同じ株に属するかは写真だけでは確認できません。細葉をこの株の「成熟形」として紹介することはしません。

自生環境から考える、栽培時の見方
POWOによると、アミドリウム属は湿潤な熱帯林に生え、樹幹を登る半着生の種類や林床を這う種類があります。この株の種は未確定なので、以下はアミドリウム属の生態と一般的な登攀性アロイドの管理を踏まえた目安であり、この個体で成功を確認した方法ではありません。
- 光と置き場所:明るい日陰やレース越しの光から始め、強い直射日光は急に当てない。冬は寒風を避けた暖かい室内で様子を見る。種ごとの耐寒下限は確認できないため、特定の温度を保証しない。
- 水と用土:排水性と適度な保水性が両立する用土を使い、表面の乾きや鉢の重さ、根の状態を見て水やりを調整する。常時びしょ濡れにしない一方、極端な乾燥も避ける。
- 湿度・支柱:乾燥しすぎる環境を避け、風通しも確保する。登攀する様子が見られたら、根を固定できる支柱を用意すると自然の樹幹に近い育て方になる。
- 植え替え・増殖:根の状態を確かめてから植え替えを考える。節の付いた茎による増殖は登攀性アロイドで行われるが、この未同定株の発根速度や成功率は未確認。
似た葉形でも、札の読み方は別に考える
オキボタで見た別の登攀性アロイドでは、札の古い学名を調べると現在の分類につながったことがあります。ラフィドフォラの札と現在の学名を調べた記事も、流通名と正式分類を分けて読む例です。今回の Amydrium sp. は種名にたどり着いた記録ではないので、札の表記と写真で見た葉を出発点として残します。
参考:POWO:Amydrium 属、POWO:A. medium、ランダック県の公的資料(地名)、RHSによる近縁のモンステラ属の室内管理。育て方は属の生態と一般的な登攀性アロイドの管理を参考にしたもので、当該株の栽培実績や耐寒下限ではありません。











