
フィロデンドロン ‘ペインテッドレディ’とは?ノーマル株を見かけない理由

黄色からライムグリーンの葉に、濃いグリーンが散るフィロデンドロン ‘ペインテッドレディ’(Philodendron ‘Painted Lady’)。
この植物を見ていて、以前から少し不思議に思っていたことがあります。
「ペインテッドレディのノーマルって見たことがないな」ということです。
斑入りフィロデンドロンのようにも見えるので、何か別のフィロデンドロンの斑入り個体に「ペインテッドレディ」という名前が付いたのかとも思っていました。

ペインテッドレディに「ノーマル」が見当たらない
ペインテッドレディの葉を見ると、斑入り植物のような不規則な色模様があります。
ところが、例えば「斑入り○○」と「通常の○○」が存在するように、ペインテッドレディから斑を抜いた「ノーマルのペインテッドレディ」という植物は見かけません。
そこで、何か原種フィロデンドロンの斑入り個体に名前を付けたものなのかと思い、改めて由来を調べてみました。
実際には園芸的に作られたハイブリッド系統
調べてみると、ペインテッドレディは野生に存在する「Philodendron painted lady」という原種ではなく、園芸的に作られたハイブリッド系統として扱われている植物でした。
その由来については資料によって表記に多少の違いがありますが、フィロデンドロンの育種で知られるRobert H. McColleyの系統とされ、‘Burgundy’と‘Emerald Queen’に関連する交配記録が残されています。
つまり、何かの原種にたまたま斑が入ったものというより、この特徴的な葉色や姿を持つ園芸植物そのものが「Painted Lady」というわけです。
だから「ノーマルのペインテッドレディ」がない
そう考えると、私が「ノーマルを見たことがない」と感じていた理由も分かります。
ペインテッドレディという原種が先に存在して、そこから斑入りタイプが生まれたわけではありません。
黄色〜ライムグリーンの地色に濃いグリーンが散る葉と、赤〜ピンク系の葉柄などを含めた特徴を持つ園芸品種が‘Painted Lady’として流通しています。
斑入りというより「この品種の葉模様」
見た目だけなら「斑入りフィロデンドロン」と呼びたくなる葉です。
実際、海外の販売店でも“variegated”と表現されることがあります。
ただ、一般的な緑葉種に斑が発生した植物と同じ感覚で見るより、ペインテッドレディという園芸品種が持つ特徴的な葉色・模様として捉えたほうが分かりやすいと思います。
新葉では黄色〜ライム色が強く、成長に伴ってグリーンが濃くなっていくため、一株の中でも葉齢によってかなり印象が変わります。
似たフィロデンドロンもある
このタイプの葉色を持つフィロデンドロンには似たものもあり、特に‘Calkins Gold’(カルキンスゴールド)はペインテッドレディと混同されることがあります。
見分けるポイントのひとつとして挙げられるのが葉柄や茎の色で、ペインテッドレディでは赤〜ピンク系の色が出るのに対し、Calkins Goldでは赤みがないことが識別点とされています。
葉の模様だけを見るのではなく、葉柄や茎まで観察したほうが分かりやすい植物です。
まとめ|「斑入りの何か」ではなくPainted Ladyという園芸品種
フィロデンドロン ‘ペインテッドレディ’を育てながら、「そういえば、この植物のノーマルを見たことがない」と疑問に思っていました。
調べてみると、ペインテッドレディは野生種の斑入り個体というより、交配・選抜によって生まれた園芸品種として考えるのが自然です。
つまり「ノーマルのペインテッドレディに斑が入った」のではなく、この独特な葉色を含めてペインテッドレディ。
長く植物を見ていても、名前を当たり前に使っているだけで、その由来を調べてみると意外なことがあります。











