
フィロデンドロン・オレンジマーマレードはプリンスオブオレンジの斑入り?由来を調べてみた

お店でフィロデンドロン・オレンジマーマレードとして販売されている株を見つけました。
オレンジ系の新葉と斑のような色模様を見ると、気になるのが「プリンスオブオレンジの斑入りなのか?」ということ。名前も姿もそれっぽいのですが、由来を調べると簡単にはそう言えませんでした。

3つの名称を資料で整理
| Prince of Orange | PP6797に育成の経緯、コンパクトな株姿、新葉から成熟葉への色の変化が記載 |
|---|---|
| Variegated Sport #1 | PP16150にPrince of Orangeから発見された変異株と記載 |
| Orange Marmalade | Proven WinnersでOrange You Gorgeousの呼び名と併記。上の特許名称との対応や由来は、今回確認した資料では未確定 |
特許はそこに記載された名称の由来を確認する一次資料、メーカーの紹介は同社の商品名を確認する資料として使っています。外観が似ていることから、両者を同じ品種だとは結び付けていません。
育てている株の節間と成長型については、オレンジマーマレードの茎と株姿の観察で継続記録しています。
オレンジマーマレード=プリンスオブオレンジ斑入り、と断定はできない
今回確認できた信頼性の高い資料では、Orange MarmaladeをPrince of Orangeの斑入り変異とする一次資料は確認できませんでした。
一方、Prince of Orangeから見つかった変異株については文献があります。米国植物特許PP16150の‘Variegated Sport #1’で、Prince of Orangeの集団から見つかった自然発生の個体変異と記載されています。ただし、この文献だけでは「Orange Marmalade」とその登録名称が対応するかまでは確認できません。

プリンスオブオレンジ自体も葉色が大きく変わる
Prince of Orangeの植物特許PP6797では、新葉は明るいオレンジで開き、成熟につれてアプリコット、黄緑、緑へ変化すると記載されています。株姿はコンパクトなセルフヘディング型です。
つまりPrince of Orangeは、斑入りでなくても葉齢によってかなり色が変わります。

Orange Marmaladeは現在も独立した名前で流通
Proven Winnersの自社品種紹介ではPrismacolor™ Orange You Gorgeous™ / Orange Marmaladeとして扱われ、新葉の鮮やかなオレンジと、成熟後のゴールド&グリーンのマーブル状の葉色が特徴として紹介されています。
そのため現時点では、単純に「Prince of Orangeに斑が入ったもの」とするより、Orange Marmaladeという園芸品種・流通名として記録するのが安全です。

Orange Princess Variegatedとの名前の混同にも注意
Orange MarmaladeとOrange Princess Variegatedは、販売名を混ぜずに記録しておきます。ただし、名前が異なることだけでは遺伝的に別の栽培品種だと確定できません。生産元の資料やラベルの対応まで確認する必要があります。

以前記録したフィロデンドロン・オレンジプリンセスも、オレンジ系の葉色を持つ別の流通品種です。実物を並べて比較していくと面白そうです。
結論:似ているが「プリンスオブオレンジの斑入り」とは書かない
見た目からはそう考えたくなりますが、由来を裏付ける資料が確認できない以上、アロイダーマンではOrange Marmalade=Prince of Orange Variegatedとは断定しません。
Prince of Orangeには由来が記載された変異株‘Variegated Sport #1’の文献がある一方、今回の流通名との対応関係は未確認です。今回の店舗株は、ラベルどおりOrange Marmaladeとして記録しておきます。











