
欲しかったサキシマハブカズラをオキボタで発見?「Rhaphidophora celatocaulis」を調べたらシノニムだった

2026年秋のオキボタで、ずっと欲しかった植物に思いがけない名前で出会いました。
株を見た瞬間、「これ、サキシマハブカズラっぽくないか?」と思ったのですが、付いていた札にはRhaphidophora celatocaulis。私が探していたサキシマハブカズラの学名とは違います。
買うかかなり迷いましたが、姿がどうしても気になり購入。あとから分類を調べると、札に書かれた学名が、探していた植物の学名につながっていました。Rhaphidophora celatocaulis は、現在受け入れられている Rhaphidophora korthalsii のシノニムでした。

札にはRhaphidophora celatocaulis
今回の株についていた手書きの札には「Rhaphidophora celatocaulis」と書かれていました。
私は以前からサキシマハブカズラが欲しくて探していたので、植物そのものを見たときにかなり気になりました。しかし札の名前が違う。その場では「本当に欲しかった植物なのか?」と迷います。
それでも葉や株全体の雰囲気が気になり、今回は購入することにしました。

調べるとRhaphidophora korthalsiiのシノニムだった
購入後にKew GardensのPlants of the World Online(POWO)を確認すると、Rhaphidophora celatocaulis (N.E.Br.) Alderw. は現在独立した種として採用されておらず、Rhaphidophora korthalsii Schott のシノニムとして扱われています。出典はPOWOのRhaphidophora celatocaulisの項目です。
札の名前は、現在シノニムとして整理されている学名です。ただし、学名どうしの関係が確認できることと、購入した実株が正しく同定されていることは別です。この記事では購入時の札を手掛かりに記録し、葉や茎の変化も継続して確認します。
欲しかったサキシマハブカズラを目の前にして、「名前が違うから」と見送らなくて本当によかったです。
Rhaphidophora korthalsiiがサキシマハブカズラ
Rhaphidophora korthalsii はサトイモ科ラフィドフォラ属のつる性植物で、日本ではサキシマハブカズラと呼ばれています。POWOでは南西諸島を含め、タイ半島部からマレーシア地域、西太平洋までを原産域としています。
日本国内の野生個体については非常に希少で、環境省の第5次レッドリスト・レッドデータブックの検索結果では、サキシマハブカズラは絶滅危惧IA類(CR)です。今回購入したものはオキボタの海外ナーセリーで販売されていた栽培株であり、日本の自生株を採取したものとして紹介しているわけではありません。

幼株と成株で姿が大きく変わる
サキシマハブカズラで特に面白いのが、幼株と成熟株で葉の姿が大きく変化することです。
環境省資料では、幼植物は岩や樹幹に付着して這い上がり、小さな幼葉は基物に張り付くように接するとされています。成長すると葉は基物から離れ、成熟株では大きな葉が羽状に深く裂けます。
いわゆる「shingling」と呼ばれる幼葉が板や樹幹に沿うように育つ姿から、大きく切れ込んだ成葉へ変身するタイプです。今回の株も、ここから登らせて成熟させたとき、どの段階で葉が変わり始めるのか観察したいと思っています。
名前だけ見ていたら買わなかったかもしれない
今回いちばん面白かったのは、植物の見た目から「もしかして」と感じたことでした。
もし札の Rhaphidophora celatocaulis という名前だけを見て判断していたら、「知らないラフィドフォラだな」で通り過ぎていたかもしれません。
しかし私はサキシマハブカズラを以前から探していたので、株を見たときに引っかかりました。そして調べてみると、実際に現在の分類では同じ Rhaphidophora korthalsii に含められていました。
植物イベントでは、現在のアクセプト名だけでなくシノニムや現地で使われている名称などが札に書かれていることがあります。知らない名前だから別種とは限らない、という面白い例になりました。

海外ナーセリーの株だからこそ学名も確認してみる
今回のオキボタでは、海外ナーセリーの植物をいくつか購入しました。国内ではほとんど見かけない植物に出会える一方、札の名称が現在日本で一般的に使われている名前と一致しないこともあります。
そんなときは検索結果だけで判断せず、POWOやWorld Flora Onlineなどの分類データベースで学名を確認すると、今回のようにシノニムから現在の名前へたどれる場合があります。
なお、海外ナーセリーの株は水苔巻きで根量が少ないこともあります。購入後すぐに通常の鉢植えへ変更せず、根の状態を見ながら養生する方法についても別記事にまとめています。
ずっと欲しかったサキシマハブカズラ、ここから育成開始
今回は「サキシマハブカズラ」という名前で売られていた株を買ったわけではありません。
見た目が気になって迷いながら購入した Rhaphidophora celatocaulis 表記の株を調べた結果、現在の分類では Rhaphidophora korthalsii。札の学名は、探していたサキシマハブカズラの学名とつながっていました。
個人的には今回のオキボタでかなり嬉しい買い物のひとつです。
ここからまずしっかり発根させ、登らせながら育てます。幼葉がどのように変化し、いつサキシマハブカズラらしい大きく切れ込んだ成熟葉を出すのか。IMG_3060〜3063を購入時の記録として、今後の変化も追記していきます。
サキシマハブカズラを探すときの検索名
流通株を探す場合は「サキシマハブカズラ」「Rhaphidophora korthalsii」だけでなく、今回のようにシノニムの「Rhaphidophora celatocaulis」で見つかる可能性もあります。希少な植物ほど流通名だけで判断せず、学名とシノニムを確認して探してみると面白いです。










