
オブリクア・ペルー・ジャイアントとは?通常のペルーと茎・根・新葉を実株比較
「モンステラ・オブリクア・ペルー」といえば、葉の大部分が穴になるほど極端な窓を持つことで知られるモンステラです。
今回紹介するのは、その名前にさらに「Giant(ジャイアント)」が付いた植物。
「モンステラ・オブリクア・ペルー・ジャイアント」という名前で入手しました。
ところが、実際に育ててみると少し疑問があります。
これは本当に、あの有名なオブリクア・ペルーの大型タイプなのでしょうか。

「ペルー・ジャイアント」の確認済み情報
| 入手時の名前 | オブリクア・ペルー・ジャイアント |
|---|---|
| 正式分類 | Monstera obliquaの品種・採集系統である資料は未確認 |
| 比較に用いた実株 | 同じ所有者が育てる「通常のオブリクア・ペルー」と「ペルー・ジャイアント」の二株 |
| ジャイアント株で見たこと | 茎の周りの細かな根で張り付く、目立つ長いランナーは未確認、新葉の展開がゆっくりに感じる |
| 種の資料 | Kewの記載ではオブリクアの成茎は太さ2~7mm。葉形・穴の量は大きく変異 |
| 同定の限界 | ジャイアント株の茎の径を測った値ではない。ランナーの有無だけで別種と判断しない |
種の分類・分布はKew POWO、形態と種内変異は同サイトが掲載するCATE Araceaeの記載で確認しました。これらは種の資料であって、販売されたジャイアント株の同定書類ではありません。
「オブリクア・ペルー・ジャイアント」という名前で入手
この株は購入時からオブリクア・ペルー・ジャイアントという名前で流通していたものです。
そのため、この記事でも入手時の名称としてこの名前を使用します。
ただ、調べてみても「Peru Giant」という名称が正式な品種名や確立されたフォーム名として整理されている資料は、現時点では確認できませんでした。
つまり、名前だけを見て「普通のオブリクア・ペルーがそのまま巨大化したタイプ」と考えるのは少し早そうです。

普通のオブリクア・ペルーとは違う植物では?
実際に育てていて感じるのは、一般的に「オブリクア・ペルー」として知られている植物とは少し性質が違うということです。
特に気になるのが茎とランナーです。
Monstera obliquaの形態資料には、成株の茎が太さ2~7mmと記載されています。ただし、我が家の「ジャイアント」株の茎を実測した値ではなく、この流通株が同じ種だと確認したことにもなりません。
そして、もうひとつ特徴的なのがストロンです。園芸ではランナーと呼ばれることも多く、オブリクアを育てていると葉をつけずに細長く伸びていくことがあります。
ところが、我が家の「ペルー・ジャイアント」では、今のところいわゆるオブリクア・ペルーらしい長いランナーを出していません。
もちろん、ランナーを出さないという一点だけで別種とは判断できません。
ただ、茎の姿まで含めて観察すると、個人的には「普通のペルーの巨大版」というより、別の系統のモンステラに付けられた流通名なのでは?という疑問を持っています。
茎を見るとさらに違和感がある
この株で特に面白いのが茎と根の出方です。

節から太い気根を一本伸ばすというより、茎の周辺から細かな根を多数出して、相手に張り付いていくような姿をしています。
見ていると、個人的にはエピプレムナムなどの登攀性アロイドを思わせます。
何かにつかまって登っていく性質が、茎そのものからかなり強く感じられる植物です。
この細かな根の出方が、株がさらに成熟しても続くのかは今後も観察していきたいところです。
実物のオブリクア・ペルーと比べてみる
比較のため、こちらが我が家で育てている一般的な「オブリクア・ペルー」として流通している株です。

こうして実株を比較すると、「ペルー・ジャイアント」という名前で入手した株とは、単純に葉が大きいだけの違いではないように感じます。
一般的なオブリクア・ペルーは、非常に薄い葉と大きな穴、そして繊細な茎を持っています。
我が家の普通のペルーでも、この「細く繊細なオブリクアらしさ」を感じます。
一方、ペルー・ジャイアントは葉を大型化しただけというより、茎の雰囲気、細かな根の出し方、今のところランナーを出していないことなど、株全体の性質に違いを感じます。
もちろん、これだけで別種だと断定することはできません。
ただ、実際に両方を育てて比較すると、個人的にはますます「本当に普通のオブリクア・ペルーのジャイアント版なのだろうか?」という疑問が強くなっています。
成長速度は普通くらい
我が家での成長速度については、普通くらいという印象です。
ものすごい勢いで次々に葉を出すタイプではありませんが、極端に成長が遅いとも感じません。
環境が安定していれば、一定のペースで新しい葉を展開していきます。
ドリルが出てから葉が固まるまで少し長い
新葉の展開にも少し特徴があります。
アロイドでは、新しい葉が筒状に出てくる状態を園芸ではよく「ドリル」と呼びます。
この株はドリルが出てから葉が開き、さらに葉がしっかり固まるまでに少し時間がかかる印象があります。
個人的には、これは展開する葉そのものが大きいことも関係しているのではないかと考えています。
大きな葉がゆっくり開き、その後時間をかけて硬化していくため、新葉が出た直後は特に傷をつけないよう注意しています。
新葉の長さと展開後の葉を分けて追う
葉が開く前のドリルが長かったときの写真はペルー・ジャイアントの新葉の記録に残しています。ドリルの長さだけでは成熟葉の最大サイズ、穴の数、種の同定は決まりません。後日の葉の縦横、葉柄、茎の径を同じ株で測れば比較材料が増えます。
多様な流通名を見渡すときはオブリクアのタイプ比較を参照してください。ペルー・ジャイアントをそのどれかと同じクローンと決めつけない形にしています。
「ペルー・ジャイアント」は正式な名前なのか?
ここが、この植物で一番気になるところです。
現時点では、「Monstera obliqua ‘Peru Giant’」という正式な植物学上の分類や、確立された園芸品種名であることは確認できていません。
園芸植物では、産地名や販売者による呼称、選抜個体につけられた名前などが、そのまま流通名として広がることがあります。
そのため、この植物についても、いくつかの可能性が考えられます。
- 本当にMonstera obliquaの大型フォーム
- オブリクアに近い別のフォーム
- 別種・別系統のモンステラ
- 大型葉を持つことから付けられた園芸上の愛称
現段階で、どれかに断定する材料はありません。
だからこそこの記事では、あくまで「オブリクア・ペルー・ジャイアントという名前で入手した株」として記録しています。
普通のペルーとペルー・ジャイアントを比較
| 比較 | 一般的なオブリクア・ペルー | 我が家のペルー・ジャイアント |
|---|---|---|
| 葉 | 非常に薄く、大きな穴が特徴 | 大型で存在感がある |
| 茎 | 細く繊細 | 見た目や根の出方に違いを感じる |
| ランナー | ストロンを形成することで知られる | 今のところ目立ったランナーを出していない |
| 登攀 | 登攀性 | 細かな根で張り付くように登る |
| 成長速度 | 環境によって変化 | 我が家では普通程度 |
| 新葉 | 非常に薄い葉を展開 | ドリルから硬化までやや時間がかかる印象 |
正体が分からないからこそ、育てて記録したい
珍しい植物を集めていると、ときどき「名前は付いているけれど、その正体がよく分からない植物」に出会います。
オブリクア・ペルー・ジャイアントも、今のところ自分の中ではそのひとつです。
普通のオブリクア・ペルーとは違って見える。
今のところランナーも出さない。
茎からは細かな根を出して張り付く。
そして、大きな葉をゆっくり展開する。
さらに今回は、自分で育てている普通のオブリクア・ペルーと比較してみても、単なるサイズ違いではないように感じています。
今後さらに成熟すれば、葉の形、茎、節間、根の出方、ランナーの有無などから、もう少し正体に近づけるかもしれません。
「ペルー・ジャイアント」という名前が、いったい何を意味しているのか。
この株については、成長記録を残しながら引き続き追っていきたいと思います。
※この記事では入手時の流通名「オブリクア・ペルー・ジャイアント」を使用しています。現時点で、この名称が正式な品種・フォーム名であることは確認できていません。また、ランナーの有無、成長速度、発根の様子などには筆者の栽培環境での観察を含みます。
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