
オブリクア・エクスピラータとは?ペルーとの違い・ランナー・育て方を実株で観察
「モンステラ・オブリクア」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのはオブリクア・ペルーではないでしょうか。
葉の大部分が穴になるほど極端な窓を持ち、細い茎を伸ばすことで知られる、あの有名なモンステラです。
しかし、オブリクアの名前で流通する植物には、ペルーとはかなり違った姿を見せるものがあります。
今回紹介するのが、「モンステラ・オブリクア・エクスピラータ(expilata)」の名前で入手した株です。

エクスピラータという名前を整理
| 植物学上の名称 | Monstera expilata Schott は、Kewでは M. obliqua のシノニム |
|---|---|
| この記事の株 | 「オブリクア・エクスピラータ」の名称で入手した所有株 |
| 確認できた生育 | 葉は約5〜10cm。筆者の環境では葉を付けながらつるがよく伸びる |
| まだ確認していないこと | 最終的な成熟葉の大きさ、異なる仕立て方での成長速度の比較 |
名称の出典:Kew POWO:Monstera expilata。シノニムは学名の扱いであり、その名前で売られる株すべての同定を保証するものではありません。
名前の似た流通株には「アマゾナス」として入手したモンステラもあります。この記事は実際の伸び方と吊り鉢で楽しむ視点、アマゾナスの記事は名前と成熟葉の疑問を中心にしています。
オブリクア・エクスピラータとは?
この株はオブリクア・エクスピラータという名前で入手しました。
オブリクアといえばペルーが圧倒的に有名ですが、実際のMonstera obliquaは地域や個体による変異が大きく、「オブリクア=すべてペルーのような穴だらけの葉」というわけではありません。
また、古い植物名や地域名、園芸流通名が混在していることもあり、オブリクア周辺の名称は少々ややこしいところがあります。
そのためこの記事では分類を無理に断定せず、入手時の流通名「オブリクア・エクスピラータ」として、実際に育てて分かった特徴を記録します。
ペルーとの大きな違いは「伸び方」
実際に育てていて特に面白いのが、茎の伸び方です。
オブリクア・ペルーを育てたことがある人なら、「ランナー」に悩まされたことがあるかもしれません。
葉を次々に出すのではなく、葉を付けない細長い茎だけがどんどん伸びていくことがあります。
園芸ではこれをランナーと呼ぶことが多く、植物学的にはストロンとして説明されることがあります。
ところが、我が家のエクスピラータは少し違います。

ポトスのツルのように、節ごとに葉を付けながら伸びていくことが多いのです。
もちろん、すべての節に必ず葉が付くわけではありません。
実際に育てていると、葉を付けずに節だけ伸びる部分もあります。
それでも我が家では、ペルーのように長いランナーを伸ばすというより、葉を付けながらツルを伸ばしていく姿の方が目立ちます。
そもそも、なぜモンステラはランナーを出すのか?
モンステラのランナーを見ていると、「どうして葉を作らずに茎だけ伸ばすのだろう?」と思います。
モンステラ属には、樹木などを登りながら成長する種類が多くあります。
何かにつかまって上へ登っている間は葉を大型化させても、支持物を失ったり、成長に適した場所から外れたりすると、葉を小さくしながら細い茎を伸ばすような姿になるものがあります。
そして再び登れる場所や適した環境を探す。
人間から見ると「葉を出さずに暴走している」ように見えますが、植物にとっては次につかまれる場所を探すための成長戦略とも考えられます。
オブリクアを育てる面白さのひとつは、このような野生での生活様式が鉢植えでも見えてくるところです。
エクスピラータの葉は5~10cmほど
我が家で育てているエクスピラータの葉は、現在およそ5~10cm程度です。

ペルーのように「葉より穴の方が目立つ」という姿ではなく、葉身そのものがしっかり存在します。
小型で薄い葉がツルに連続して付くため、株全体を見るとかなり軽やかな印象があります。
そして、この姿を見ていると別のモンステラを思い出します。
マドカズラにも少し似ている
比較のため、こちらが我が家で育てているマドカズラです。

オブリクア・エクスピラータとマドカズラを見比べると、ペルーほど極端な違いには見えないかもしれません。
どちらも比較的小型の葉をツル状の茎に付けながら成長し、葉にはモンステラらしい窓が現れます。
特に植物に詳しくない人が一株だけを見れば、「小さなマドカズラの仲間?」と思っても不思議ではない姿です。
しかし、こうした似たモンステラを実際に複数育ててみると、葉の形だけではなく、節間、茎の細さ、葉の付き方、ランナーの出し方などにも違いが見えてきます。
生育はかなり旺盛
エクスピラータを育てていて感じるもうひとつの特徴が、生育の旺盛さです。
我が家ではかなりよく伸びます。
葉そのものが5~10cm程度と小さいこともあり、大型のモンステラのように一枚の新葉を長期間待つというより、ツルを伸ばしながら次々と葉を増やしていく印象です。
この成長の仕方は、観葉植物としても扱いやすいと思います。
個人的には吊り鉢がかなり向いている
モンステラというと、支柱を立てて上へ登らせるイメージがあります。
もちろんエクスピラータも登攀させて育てることはできます。
ただ、この株については吊り鉢との相性がかなりいいと感じています。
理由は、葉を付けながら長い茎を伸ばしてくれるからです。
鉢からツルを垂らしていけば、小さな葉が連続する姿をそのまま楽しめます。
ポトスや小型のフィロデンドロンをハンギングで育てる感覚に近く、「吊って楽しめるモンステラ」として扱うのも面白いと思います。
オブリクア・ペルー、エクスピラータ、マドカズラの違い
下表は主に本文の所有株での比較です。葉の付き方や生育速度が各流通名のすべての株に当てはまるとは限りません。ペルーなどの写真はオブリクアの流通株を集めた比較記事にも掲載しています。
| 比較 | オブリクア・ペルー | エクスピラータ | マドカズラ |
|---|---|---|---|
| 葉の印象 | 非常に大きな穴が目立つ | 小型の葉身と窓 | 葉身がしっかりあり多数の窓 |
| 葉サイズ | 環境・成熟度で変化 | 我が家では約5~10cm | 品種・成熟度で変化 |
| 伸び方 | ランナーを出すことがある | 節ごとに葉を付けながら伸びやすい | ツル状に伸びる |
| 葉のない節 | 長く連続することがある | 出ることはある | 環境によって発生 |
| 生育 | 環境による | 我が家では旺盛 | 比較的旺盛 |
| 仕立て方 | 登攀向き | 吊り鉢でも楽しみやすい | 吊り鉢・登攀どちらも可能 |
「オブリクア=ペルー」ではない面白さ
オブリクアという名前は、どうしても有名なペルーのイメージが先行します。
しかしエクスピラータを育ててみると、同じ「オブリクア」の名前で流通していても、見た目も育ち方もかなり違う植物があることが分かります。
我が家のエクスピラータは、5~10cmほどの小さな葉を付け、生育旺盛。
そしてペルーのようにランナーばかりを伸ばすというより、ポトスのように節ごとに葉を付けながら伸びやすい。
その性質を考えると、珍しいモンステラでありながら、吊り鉢で気軽に楽しめるのも魅力だと思います。
今後は登攀させた場合に葉がどこまで大型化するのか、窓の形や節間がどのように変化するのかも観察していきたいところです。
オブリクア・ペルーだけでは見えてこない、モンステラという植物の多様な成長戦略を感じられる一株です。
※この記事では入手時の流通名「オブリクア・エクスピラータ」を使用しています。オブリクア周辺は分類・名称の扱いが複雑なため、流通名と植物学上の分類が必ずしも一致するとは限りません。また、葉サイズ、生育速度、ランナーや葉の付き方については筆者の栽培環境での観察を含みます。
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