
ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクルとは?花宇宙から流通した謎の小型タイプを実株で観察

ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクルとは?花宇宙から流通した珍しいラフィドフォラを実株観察
「ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクル(Rhaphidophora elliptica ‘Uncle’)」という植物をご存じでしょうか。
私が育てている株は、珍しい熱帯植物を数多く扱ってきた花宇宙(クンゾーさん)由来の個体です。
エリプティカ(Rhaphidophora elliptica)という種自体は植物学的に記載されたラフィドフォラですが、「アンクル」という名前についてはネット上にもほとんど情報がありません。
この記事では、入手時のタグを記録として残しながら、実際に育てて分かった葉の厚さや気根、株姿などを紹介します。
ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクルのタグ

この株は「ラフィドフォラ エリプティカ アンクル」という名称で入手しました。
Rhaphidophora ellipticaは実在する種ですが、調べた限りでは「Uncle(アンクル)」という名称について、正式な園芸品種名であることを確認できる資料は見つかりませんでした。
そのため本記事では、正式な品種名とは断定せず、この個体が実際に流通した際に付けられていた名称として扱います。
花宇宙(クンゾーさん)由来の個体

もう一枚残っているのが、花宇宙(クンゾーさん)由来であることが分かるタグです。
珍しいアロイドでは、植物だけが受け継がれて流通名の由来が分からなくなったり、いつの間にか別の名前で呼ばれたりすることがあります。
そのため、こうした情報の少ない植物については、株の写真だけでなく入手時のタグや流通名そのものも記録として残す価値があると考えています。
Rhaphidophora ellipticaとは?
Rhaphidophora elliptica Ridl. は、サトイモ科ラフィドフォラ属の植物です。
Royal Botanic Gardens, KewのPlants of the World Onlineでも受容された種として掲載されており、原産地は北部〜北西部ボルネオとされています。
野生では樹木などを登って成長する登攀性の植物で、葉は楕円形〜楕円披針形。植物学的な記載では革質(coriaceous)とされています。
この「革質」という特徴は、実際に育てているアンクルの葉を触ったときの印象ともよく一致します。
見た目はフィロデンドロンにも似ている

実株を見て最初に感じるのが、かなりフィロデンドロンっぽく見えることです。
ラフィドフォラというと、種類によっては成長とともに葉に切れ込みが入る姿をイメージしますが、この株はシンプルな楕円形の全縁葉です。
葉だけを見せられたら、フィロデンドロンの一種だと思う人もいるかもしれません。
葉はかなり分厚い

この植物を実際に触って特に印象的なのが、葉の厚さです。
かなりしっかりとした葉で、薄く柔らかい葉を持つアロイドとは明らかに質感が違います。
写真では伝わりにくい部分ですが、実物では「硬い」「革質」という表現がよく似合います。
原種Rhaphidophora ellipticaについても革質の葉を持つことが記載されているため、この点は実株と文献上の特徴が一致する部分です。
気根はベージュ〜薄茶色
もう一つ観察していて面白いのが気根の色です。
この株では、節付近からベージュ〜薄茶色の気根が伸びています。
Rhaphidophora ellipticaは登攀植物で、文献でも茎から多数の付着根を形成することが知られています。
支柱などに登らせて育てることで、今後さらにラフィドフォラらしい成長を見せる可能性があります。
「アンクル」とは何を意味するのか?
そして、この植物で最も気になるのが「アンクル」という名前です。
園芸植物では、通常タイプより小型・コンパクトな個体群や選抜株に「コンパクタ」などの名称が付けられることがあります。
私自身、「アンクル」という名称についても、そうしたコンパクトなタイプを示す流通名なのではないかと考えたことがあります。
実際、この株も現在のところ比較的コンパクトな印象があります。
ただし、調べた限りでは「アンクル」という名称そのものが小型・矮性を意味するという確かな資料は確認できませんでした。
また、Rhaphidophora ellipticaという原種自体は野生ではかなり大型になる登攀植物です。
そのため、「アンクル=エリプティカの小型タイプ」と現時点で断定するのは避け、今後の成長を観察していきたいと思います。
よく似た名前のRhaphidophora elliptifoliaに注意
エリプティカについて調べていると、非常によく似た名前のRhaphidophora elliptifoliaという別種も出てきます。
Rhaphidophora ellipticaとRhaphidophora elliptifoliaは別の植物で、どちらもKewのPlants of the World Onlineで受容されています。
「elliptica」と「elliptifolia」は非常によく似た名前なので、海外の資料を探す際には混同しないよう注意が必要です。
まとめ|情報が少ないからこそ記録しておきたい植物
ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクルは、私が所有している個体では花宇宙(クンゾーさん)由来のタグとともに「アンクル」という名称で流通していたことが確認できます。
実際に育ててみると、フィロデンドロンにも似た全縁の葉、かなり厚く革質な葉、ベージュ〜薄茶色の気根など、なかなか個性的な特徴を持っています。
一方で「アンクル」が何を意味するのか、通常のRhaphidophora ellipticaとどのような違いがあるのかについては、まだ分からない部分が多く残っています。
珍しい流通植物は、年月が経つにつれて名前の由来や入手経路が分からなくなってしまうことがあります。
この記事では、「ラフィドフォラ・エリプティカ・アンクル」という名前で花宇宙から流通した個体が存在することを、タグと実株写真とともに記録しておきます。
今後さらに大きく育て、葉のサイズや形、節間、気根の出方などに変化があれば追記していく予定です。
参考資料
Royal Botanic Gardens, Kew — Plants of the World Online「Rhaphidophora elliptica Ridl.」
Royal Botanic Gardens, Kew — Plants of the World Online「Rhaphidophora elliptifolia Ridl.」
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