
モンステラ・デリシオーサは全部同じ?園芸店の実株を比べると葉形がかなり違う

ホームセンターや園芸店で普通に販売されているモンステラ・デリシオーサ。
同じ「モンステラ・デリシオーサ」という名前で並んでいますが、何株も見比べていると「本当に全部同じタイプなのか?」と思うほど姿が違う個体に出会うことがあります。
葉が丸く幅広いもの、細長いもの。葉質が柔らかく感じるもの、硬質なもの。切れ込みが深く入りやすいものと、比較的丸い葉を維持するもの。
今回は、実際に私が見つけたデリシオーサの写真を比較しながら、その個体差について考えてみます。
同じデリシオーサでも葉形がかなり違う

モンステラを何株も見ていると、まず気付くのが葉の縦横比の違いです。
かなり丸みが強く幅広い葉を出す株がある一方、明らかに細長く見える株もあります。
もちろん、モンステラは成長段階や栽培環境によって葉形が変化する植物なので、葉の形だけを見て別の種類と判断することはできません。
それでも、同じようなサイズまで育った株を多数見ていると、個体ごとの傾向を感じることがあります。
昔ながらの丸葉に見えるタイプ

こちらは、私が「昔ながらのデリシオーサらしい」と感じるタイプ。
葉幅があり、全体にどっしりとした印象があります。
モンステラ・デリシオーサの成葉は、植物学的な記載でも幅広い卵形で、成熟すると大型化し、葉に穿孔や深い切れ込みを生じる植物として記載されています。
ただ、実際の栽培株を見ると、その「幅広さ」にもかなり個体差があるように感じます。
細葉で硬質に感じるデリシオーサ

一方で、こちらはかなり細長く見えるタイプ。
私が実際に触って観察した範囲では、葉質にも違いを感じ、丸葉タイプとはかなり違った印象を受けました。
こうした個体を見ると「ナローリーフ」「別タイプ」などと呼びたくなります。
しかし、ここは少し慎重に考える必要があります。
よく聞く「ボルシギアナ」は別種なのか?
モンステラを集めていると、「デリシオーサ」と「ボルシギアナ」を分けて呼ぶことがあります。
過去には Monstera borsigiana という学名や、Monstera deliciosa var. borsigiana という変種名も実際に発表されています。
しかし、現在のKew Plants of the World Onlineでは、どちらもMonstera deliciosa のシノニムとして扱われています。
つまり、現在の植物分類上は「デリシオーサとボルシギアナは別種」と単純に分けることはできません。
分類が同じでも、見た目まで全部同じとは限らない

一方で、植物分類上同じ種として扱われているからといって、すべての個体が同じ姿になるわけでもありません。
野生植物には当然遺伝的な個体差がありますし、長期間栽培されてきた観葉植物では、さまざまな系統が流通している可能性があります。
さらに、光量、支柱の有無、根の状態、株の成熟度などによっても葉姿は変化します。
そのため、園芸店で見つけた葉形の違いだけから「これは別の地域型」「これは○○系統」と断定するのは難しいと思います。
それでも実株を並べると違いは面白い
分類名を付けられなくても、実際の株に違いがあること自体は観察できます。
私がデリシオーサを見ていて特に違いを感じるのは、
- 葉の縦横比
- 葉先の形
- 葉質の硬さ
- 切れ込みの深さ
- 穴の入り方
- 成熟したときの葉の大きさ
- 茎や節間の伸び方
などです。
一つの特徴だけでは環境による変化との区別が難しいですが、複数の特徴が何枚もの葉に継続して現れる株は、育て比べるとかなり面白いです。
「地域差」と断定するには証拠が必要
私自身、以前はこうした違いを見て「産地や地域によるタイプ違いなのでは?」と考えたこともありました。
実際、Monstera deliciosa の自生域はメキシコ南部からグアテマラに広がっています。
ただし、園芸流通している一株について、その葉形だけから原産地や地域系統を特定することはできません。
由来が明確な採集株や系統記録がない以上、ここは「地域差かもしれない」ではなく、「実際にこういう個体差を観察した」ところまでに留めるのが適切だと思います。
モンステラは名前だけでなく個体を選ぶのも面白い
珍しい品種名が付いていなくても、普通のデリシオーサの売場をじっくり見ると面白い個体が混じっています。
極端に丸いもの、細いもの、切れ込みが入りやすそうなもの。
同じ値段、同じタグで並んでいても、よく見ると一株ずつ違います。
私はこういう株を探して、実際に育てた先でどうなるのかを見るのもモンステラの楽しみ方の一つだと思っています。
まとめ|デリシオーサにはかなり個体差がある
園芸店で「モンステラ・デリシオーサ」として販売されている株を見比べると、葉形や葉質、切れ込み方などにはかなり違いがあります。
ただし、その違いだけを根拠に別種や変種、地域型と断定することはできません。
現在の分類では、かつて別名として使われた Monstera borsigiana も Monstera deliciosa のシノニムとして扱われています。
それでも、「分類上は同じデリシオーサなのに、実株を見るとこんなに違う」というところが面白い。
名前を増やすのではなく、実際の株を育て比べながら、その個体差を記録していきたいと思います。
※本記事は筆者が実際に観察・栽培した株の形態差を紹介するものです。写真から地域型・変種などを断定するものではありません。











