
モンステラ「モルテーザ」の正体は?花宇宙のタグと実株の登攀・葉の記録
「モンステラ・モルテーザ」という植物をご存じでしょうか。
モンステラ・デリシオーサやマドカズラのような有名種ではありません。
というより、調べてもほとんど情報が出てこない、謎のモンステラです。
我が家では、植物専門店「花宇宙」から入手したモルテーザを実際に育てています。
花宇宙の黒タグには「M. モルテーザ」「ブラジル原産」、もう一方の白い管理タグには「M. moltesa」「2024.9.4」と記載されています。
ところが、この「M. moltesa」という名前を調べても、一般的なモンステラの学名としてほとんど情報が見つかりません。
では、この植物はいったい何者なのか。
今回は正体を無理に決めつけるのではなく、実際に育てている親株の葉、茎、気根、成長の仕方などを写真とともに記録してみます。
モルテーザ:タグと本人が見たこと
| 入手元・名前 | 花宇宙から「M. モルテーザ」として入手 |
|---|---|
| 黒タグの表記 | 「M. モルテーザ」「ブラジル原産」。販売時の情報であり採集地点の証明ではない |
| 白タグの表記 | 「M. moltesa」「2024.9.4」。日付の意味は未確認 |
| 分類 | モンステラ属の流通株として記録。正式な種・品種は確認できていない |
| 所有株の成長 | ヘゴ棒を登ってよく伸びた。支柱の先に達した後は葉が小さくなった |
| 所有株の葉と気根 | 細長く厚い葉、茶色で細かな毛のようなものが見える気根 |
| 未観察 | 今回の株でランナーは見ていない。未形成だと断言する資料ではない |
これがモンステラ・モルテーザの実株

まずは株全体。
一般的なデリシオーサとはまったく違う姿をしています。
細長い葉を展開しながら上へ上へと登っていく、かなり強い登攀性を感じるモンステラです。
実際に育ててみて特に驚いたのが、とにかく成長が速いこと。
我が家で育てているアロイドの中でも成長速度はかなり速く、支柱を用意すると次々と上へ登っていきます。
ヘゴ棒を勢いよく登っていく

モルテーザは、支柱を与えると上方向へ勢いよく成長します。
オブリクア・ペルーのように長いランナーを伸ばして新しい場所を探すタイプではなく、我が家の株ではランナーは確認していません。
その代わり、登れる場所がある間はどんどん上へ伸びていきます。
そして面白いのが、支柱の一番上まで到達した後。
我が家では、登る場所がなくなると、その先で展開する葉が小さくなるという変化が見られました。
これは実際に栽培して観察した変化で、モルテーザを大きな葉で維持するなら、十分な高さの支柱を用意することが重要なのかもしれません。
左右に広がる姿はまるで「翼」

個人的にモルテーザで一番面白いと思っているのが、この草姿です。
支柱を中心に葉が左右へ展開していき、正面から見ると大きな翼を広げているような姿になります。
普通のモンステラとはかなり違うシルエットです。
初めてこの株を見たときの印象をあえて身近な植物で表現するなら、
「ものすごく大きくなったハネカズラみたい。」
という感じ。
もちろん、見た目が似ているからといってモルテーザをハネカズラ(Monstera standleyana)と同定できるわけではありません。
あくまで実株を育てて感じた、草姿の印象です。
葉は意外なほど厚くて硬い

写真だけを見ると薄そうに感じるかもしれませんが、実際に触ると印象が変わります。
葉の厚さと硬さは、モンステラ・デリシオーサに近い感触です。
薄く繊細なオブリクア系とはまったく違い、かなり丈夫でしっかりした葉をしています。
細長い葉型と厚く硬い葉質の組み合わせも、この植物の特徴として記録しておきたいポイントです。
節間と気根にも特徴がある

茎を観察すると、節を作りながら規則的に上へ伸びていることが分かります。
そして我が家の株で確認できる気根は茶色で、表面に細かな毛のようなものが見られます。
こうした特徴は、将来的にこの植物の正体や近縁種を考える際にも参考になるかもしれません。
モルテーザについて詳しい植物学的資料がほとんど見つからない以上、葉だけではなく、茎や節、気根、生育の仕方まで残しておくことには意味があると考えています。
花宇宙の黒タグには「M.モルテーザ・ブラジル原産」

この株の由来を考えるうえで重要なのが、入手時のタグです。
花宇宙の黒タグには、
「M. モルテーザ」
「ブラジル原産」
と記載されています。
つまり「ブラジル原産」という情報は、ネット検索から後付けしたものではなく、入手時から株に付いていた情報です。
ただし、これだけで野生採集地点や正式な分類まで確認できるわけではありません。
そのため当サイトでも、現段階では「花宇宙でM.モルテーザ、ブラジル原産として扱われていた株」というところまでを確実な情報として扱います。
もう一枚のタグには「M. moltesa」

さらに、もう一枚の白タグには「M. moltesa」というアルファベット表記と、「2024.9.4」の日付が残されています。
ところが、ここからが謎です。
現時点で調べた限りでは、「Monstera moltesa」という名称を、一般的に認められたモンステラ属の学名として確認することができません。
つまり「M. moltesa」という表記が何に由来するのか、正式な学名なのか、流通上使われてきた名称なのかについては不明です。
情報が確認できない以上、推測だけで別の種名を当てはめることは避けたいと思います。
成長速度と取り木の発根速度は別の観察
手元の親株は支柱に登るとよく伸びます。その一方で、同じ呼び名の株の取り木では約1か月根を確認できなかった記録もあります。茎や葉が速く伸びるからといって、取り木がすぐ発根するとは限りません。取り木の記事は実施時点の記録であり、この植物すべての発根速度を測定した結果ではありません。
比較の相手としてオブリクアの複数タイプと流通名を整理した記事もありますが、葉や支柱の姿が似るだけで同じ種とは決められません。
結局「モルテーザ」とは何者なのか?
現時点で、この株について実物から確認できている特徴をまとめると、次のようになります。
- 花宇宙で「M.モルテーザ」として入手
- 黒タグには「ブラジル原産」と記載
- 白タグには「M. moltesa」「2024.9.4」と記載
- 非常に成長が速い
- 強い登攀性を見せる
- 葉は左右へ翼のように展開する
- 葉は細長いが、デリシオーサ並みに厚く硬い
- 気根は茶色で、細かな毛が見られる
- 我が家の株ではランナーを形成していない
- 支柱を登り切った後は葉が小型化した
姿だけを見るとハネカズラを思わせる部分がありますが、葉のサイズや葉質、生育の勢いなどを見ると、単純に「大きなハネカズラ」と片付けてしまうのも違うように感じます。
そして何より、実物はかなり格好いい。
正体が分からないからこそ、育てながら観察する面白さがあるモンステラです。
情報をご存じの方がいたら教えてください
モンステラ・モルテーザについては、今後も成長記録を残していく予定です。
もし「M. moltesa」という名称の由来、ブラジルでの採集情報、過去の流通経路などについて資料や情報をご存じの方がいれば、ぜひコメントなどで教えてください。
新しい情報が確認できた場合は、この記事にも追記していきます。
ネット上にほとんど記録がない植物だからこそ、まずは実際に存在する株の姿を残すことから。
数年後、この謎のモンステラの正体がもう少し見えてきたら面白いですね。








