
正体不明のフィカス sp.を育てる|ベンガレンシス・ロイ?アフリカンプリンス?
フィカスを集めていると、ときどき名前の分からない株に出会います。
今回紹介するのも、そんな一株。
「Ficus sp.(フィカス sp.)」として入手した、正体不明のフィカスです。
葉を見ると、どこかで見たことがある。
ベンガレンシス系にも見えるし、フィカス・ベンガレンシス ‘ロイ’にも似ている。
さらに、大きな葉を持つ「アフリカンプリンス」にも雰囲気があります。
しかし実際に育ててみると、どれかひとつに断定するには違和感があります。
今回は、名前を無理に決めるのではなく、実際に育てて分かった特徴を記録しておきます。
このフィカスsp.で確認できていること
| 入手時の名前 | Ficus sp.。フィカス属までの表記で、種名は未確定 |
|---|---|
| 実株の葉 | 濃い緑色で葉脈が目立つ。中〜やや大型だが、我が家では極端な巨大葉にはなっていない |
| 似ていると感じた候補 | ベンガレンシス系、ロイ、アフリカンプリンス。いずれも未同定の比較候補 |
| 寒さの経験 | ほかの所有フィカスより強く感じる。最低温度や曝露時間の記録はない |
| まだ決められない項目 | 種の学名・原産地・成熟樹のサイズ・安全な越冬温度 |
種名が未確定なので、候補の原産地や耐寒性をこの株のデータとして転記しないようにしています。写真を比べる際も、候補名より先に、実際に確認できた葉と枝の特徴を残します。
これが正体不明のフィカス sp.

購入時から正式な品種名は付いておらず、名称は単純に「Ficus sp.」。
「sp.」はspeciesの略として使われ、種まで特定されていない植物などに付けられる表記です。
つまり、最初から正体不明。
その後しばらく育てていますが、現在も種や園芸品種を断定できる決定的な特徴は見つかっていません。
葉を見るとベンガレンシス系にも見える

この株を見て最初に思い浮かぶ候補のひとつが、Ficus benghalensis(フィカス・ベンガレンシス)の仲間です。
特に似ていると感じるのが、園芸品種として流通するフィカス・ベンガレンシス ‘ロイ’(Ficus benghalensis ‘Roy’)。
ロイは通常のベンガレンシスと比較して長めの葉を持つ園芸品種として流通しており、濃い緑色の葉と目立つ葉脈を持っています。
今回のsp株にも、その雰囲気があります。
ただし、見た目が似ているというだけでロイと判断できる材料はありません。
アフリカンプリンスにも似ている

もうひとつ似ていると感じるのがフィカス・アフリカンプリンスです。
アフリカンプリンスは、大きな緑葉と美しく目立つ葉脈を持つフィカスとして国内でも流通しています。
今回のsp株にも似た雰囲気があります。
しかし、実際に育てていて気になる違いがあります。
葉がそこまで巨大化しません。
もちろん植物の葉サイズは、光量、根域、肥料、株齢などによって変化します。
そのため葉の大きさだけで別物と断定することはできません。
それでも長期間育てた印象では、「アフリカンプリンスそのもの」と考えるには少し違和感があります。
葉はしっかりしているが、巨大葉にはならない

この株を育てて感じる特徴のひとつが、葉のサイズ感です。
決して小葉のフィカスではありません。
しかし、巨大葉系のフィカスのように「どこまで大きくなるんだ」というサイズにもなりません。
中~やや大型の葉を安定して展開するという印象です。
この微妙なサイズ感も、正体を分かりにくくしている理由のひとつです。
耐寒性はやや高めに感じる
もうひとつ、実際に育てて感じているのが耐寒性です。
我が家で育てている複数のフィカスと比較すると、このsp株は寒さにはやや強い印象があります。
もちろん、正確な種が分からない以上「耐寒温度○℃」といった数値を示すことはできません。
株の大きさや置き場所、風、霜、用土の水分量などによっても低温への耐性は大きく変わります。
ここではあくまで、実際に育てた中では比較的寒さに強く感じるという栽培記録として残しておきます。
結局、このフィカスは何なのか?
現在までに確認できている特徴を整理すると、こんな株です。
- 「Ficus sp.」として入手
- 正式な種・品種名は不明
- ベンガレンシス系を思わせる葉
- ベンガレンシス ‘ロイ’にも似ている
- アフリカンプリンスにも似ている
- ただし葉はそこまで巨大化しない
- 濃い緑色の葉と目立つ葉脈を持つ
- 耐寒性は比較的高めに感じる
こうして並べても、やはり決定打がありません。
ベンガレンシス ‘ロイ’なのか。
アフリカンプリンスに近い何かなのか。
それとも、まったく別のフィカスなのか。
現時点では分かりません。
「似ている」だけではフィカスの名前は決められない
フィカスは非常に種類が多く、さらに園芸品種や流通名まで加わります。
若い株では葉型が似ているものも多く、栽培環境によって葉の大きさや形が変わることもあります。
そのため写真だけを見て、「これは○○だ」と決めてしまうのは意外と危険です。
今回の株も、ベンガレンシス ‘ロイ’やアフリカンプリンスに似ています。
しかし似ていることと、同じ植物であることは別。
名前が分からない以上、今のところは購入時の名称どおり「Ficus sp.」として育てています。
名前を調べるときに一緒に残したい情報
葉1枚の写真に加え、同じ株の全体、葉の表裏、葉柄、新芽を包む部分、枝の毛を撮っておくと、後から比較する材料になります。大きさを比べる写真には定規を添え、若い葉と十分に開いた葉を分けます。購入時のラベルや生産者名が残っていれば、形だけでは分からない来歴もたどれます。
サイト内には別の細葉で新芽が赤いフィカスsp.もあります。同じ「sp.」という表記でも同一の植物を意味しないため、別の所有株として記録しています。
正体をご存じの方がいたら教えてください
この株と同じフィカスを育てている方、過去に同じ姿の株を流通現場で見たことがある方、あるいは種や品種について心当たりがある方がいれば、ぜひ情報をお寄せください。
正体不明の植物は、名前が分からないという不便さがあります。
一方で、何年も育てながら特徴を観察し、候補をひとつずつ考えていく面白さもあります。
分からないものを、無理に分かったことにしない。
この株については今後も成長を観察し、新しい特徴が分かったらこの記事に追記していきます。
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